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2011年3月11日の未曾有の震災より本日で4年が経つ。
被災された方にとっては、未だ日常は戻っておらず。 この先以前のような生活に戻るのに、どれほどの時間がかかるのか。 心からの平穏はいつ訪れるのか。 依然として、被災者を取り巻く環境は厳しいものがある。 被災地では、 放射能の汚染により、今もまだ自宅に立ち入ることができない方々が沢山いる。 バリケードの向こう側は、あの悪夢のような日のまま時が止まった状態で除染やがれきの撤去も進まず、それが更に復興の妨げになっている。 一日も早い、政治的判断が待たれている。 その政治では、献金問題などで一つも国会審議が進んでいない状況である。 故郷を奪われた人たちが沢山いる事を思い出し、与党野党関係なく国民の代表という意識を強く持ち、しっかりとリードしなければならない。 そのために、我々もしっかりと被災地のことも、国のことも見ていかなければいけないと思う。 私にもできることを、改めて考え行かなければいけないと思う。 この時期は、2012年3月11日の読売新聞の一面の編集手帳を思い出す。 時は流れない。 雪のように降り積もる。 人は優しくなったか。 賢くなったか。 使い慣れた言い回しにも嘘がある。 時は流れる、という。流れない「時」もある。 雪のように降り積もる。 『時計の針が前にすすむと「時間」になります。 後にすすむと「思い出」になります』 寺山修司は『思い出の歴史』と題する詩にそう書いたが、 この1年は詩人の定義にあてはまらない異形の歳月であったろう。 津波に肉親を奪われ、放射線に故郷を追われた人にとって、 震災が思い出に変わることは金輪際あり得ない。 復興の遅々たる歩みを思えば、針は前にも進んでいない。 いまも午後2時46分を指して、時計は止まったままである。 死者・不明者は約2万人…と書きかけて、ためらう。 命に「約」や端数があるはずもない。 人の命を量では語るまいと、 メディアは犠牲者と家族の人生にさまざまな光をあててきた。 本紙の読者はその幼女を知っている。 「ままへ。いきてるといいね。 おげんきですか。」 行方不明の母に手紙を書いた岩手県宮古市の4歳児、 昆愛海ちゃんもいまは5歳、5月には学齢の6歳になる。 漢字を学び、 自分の名前の中で「母」が見守ってくれていることに気づく日も遠くないだろう。 成長の年輪を一つ刻むだけの時間を費やしながら、 いまなお「あの」ではなく「この」震災であることが悔しく、恥ずかしい。 口にするのも文字にするのも、気の滅入る言葉がある。 「絆」である。 その心は尊くとも、昔の流行歌ではないが、 言葉にすれば嘘に染まる…(『ダンシング・オールナイト』)。 宮城県石巻市には、市が自力で処理できる106年分のがれきが積まれている。 すべての都道府県で、 少しずつ引き受ける総力戦以外には解決の手だてがないものを、 「汚染の危険がゼロではないのだから」という受け入れ側の拒否反応もあって、 がれきの処理は進んでいない。 羞恥心を覚えることなく「絆」を語るには、相当に丈夫な神経が要る。 人は優しくなったか。賢くなったか。 1年という時間が発する問いは二つだろう。 政権与党内では「造反カードの切りどきは・・・」 といった政略談義が音量を増している。 予算の財源を手当てする法案には成立のめどが立っていない。 肝心かなめの立法府が違法状態の“脱法府”に転じたと聞くに及んでは、 悪い夢をみているようである。 総じて神経の丈夫な人々の暮らす永田町にしても、 歳月の問いに「はい」と胸を張って答えられる人は少数だろう。 雪下ろしをしないと屋根がもたないように、 降り積もった時間の“時下ろし”をしなければ日本という国がもたない。 ひたすら被災地のことだけを考えて、 ほかのすべてが脳裏から消えた1年前のあの夜に、 一人ひとりが立ち返る以外、時計の針を前に進めるすべはあるまい。 この1年に流した一生分の涙をぬぐうのに疲れて、 スコップを握る手は重くとも。 (2012年3月11日 読売新聞朝刊より) 2015年3月11日14時46分 時報と共に、黙禱をし、 まだ寒さの残る東北の地に思いを馳せる。 ただ、 一日でも早く一人でも多くの方に心穏やかに過ごすことができる、春の日が訪れますよう、、、
by Riche-Club
| 2015-03-11 14:46
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